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ジョシュア・ノースカットさん 著
パンデミックの中、インフルエンザの季節が到来し、癒しケアチームは、高齢の患者とその介護者が安全に健康を維持できるよう支援を続けています。 チームは、患者の家族のそれぞれのニーズに確実に対応できるように、お互いに協力しています。
私の仕事内容は患者の状況とチームの能力に応じて頻繁に変わるため、すべてのチームメンバーの中で、私の役割を定義するのは最も難しいかもしれません。
看護師(Registered Nurse)として、聴くことと電話をかけることは私の役割において重要です。 介護者と患者がどういう事を必要としているかに耳を傾け、ケアの全体像を見ます。 医療から精神的なニーズまで緩和医療が網羅する範囲は広きにわたります。 会話を通して、癒しケアの患者と介護者が病気と向き合えるよう手助けします。
仕事とトリアージコール― チームのキャッチャー
毎日の仕事は日々異なるので、「典型的な一日」を定義するのは難しいです。いつ、どんな時でも入ってくるトリアージコールを受けとるのが常日頃です。電話で状況を判断し、患者の状態の重症度によって治療の優先順位を決定します。
私の役割を例えるなら、野球のキャッチャーに近いかもしれません。 私は、患者のニーズに対して迅速な対応を確実にするために、常にミットをかまえ、ボールをどこに投げこまれなければならないかを正しく判断しなければなりません。
緩和ケアの看護師としての1日
午前8時
私の一日は、夜間の電話、入院、または救急科の訪問を確認することから始まります。これは、私や癒しケアチームが患者カルテを更新して、患者のケアプランの最新の動向を見るのに役立ちます。
午前8時30分
癒しケアチームのハドルミーティングが始まります。私たちは、患者と家族との電話でのやり取りの情報を含め、各患者を徹底的に査定し、私たちの次のステップがどうあるべきかについて話し合います。多くの準備がこの打ち合わせに費やされます。
午前9時30分
打ち合わせ後、電話をかけたり、バーチャル訪問をしたりします。これは、毎月の定期的な電話、または優先する緊急電話のいずれかとなります。
たとえば、高齢の女性患者の一人から胃の痛みについてトリアージの電話がかかってきました。早急な対応が必要であると判断し、八浪医師につなぎました。
午前10時30分 –午後2時30分
患者やその家族と病状からケアの目標までさまざまな内容について話します。次に、とある日に受けたいくつかの電話について紹介します。
午前10時30分 –午前11時
八浪医師が処方した新薬のフォローアップのため、痛みへの対策に問題のある癌患者に電話をしました。今のところ副作用はないようなので、症状の監視を続けるように伝えました。情報は八浪医師と共有し、週の後半に再度電話するよう自分用のメモを作成しました。
午前11時30分 –午後12時
毎月電話で状況を伺う患者に連絡しました。この患者は一人暮らしの未亡人です、私は毎月、彼女の様子を確かめます。最近ご主人が亡くなられてまだ深い悲しみの中なので、最近の転倒の有無や健康状態の変化を確認します。
午後12時30分 –午後1時
複数疾患の影響で10種類以上の薬を服用している患者から電話がかかってきました。いくつかの薬は、八浪医師によって処方されていて、その薬の補充についての電話でした。薬の効果を確認するために、彼女にいくつかの質問をしました。
八浪医師が状況を把握しやすくするためにメモを取り、何を処方すべきか判断しやすいようにしました。八浪医師が患者に直接確認する必要があると感じた場合は、別のアポイントメントを予定します。
午後1時30分 –午後2時
ある患者の兄弟に電話をしました。この兄弟は、患者の将来のケアと、いつホスピスへの転院を決定しなければならないかについて話し合った最近のバーチャル会議に出席できませんでした。家族全員が状況把握できるよう、私は話し合った内容をこの兄弟に伝達しました。
午後2時–午後3時
アルツハイマー病の患者の娘さんに電話し、ケアの目標について話しました。必要な外部の助けを借りながら、母親をできるだけ長く家に留めておきたいという家族の希望が変わっていないかを確認するための電話でした。パンデミックの影響で、患者とその家族が、希望することや選択肢を変えることが増えているため、最近はケアの目標について、以前より多く電話をかけています。また、娘さんがストレスを感じていないかどうかを確認し、彼女の全体的な健康状態も確認しています。
午後3時
電話の後、私は患者のアップデートやケアプランの変更について八浪医師とソーシャルワーカーの加奈子さんと再度、連絡をします。
午後3時30分 –午後5時
一日の終わりには再度トリアージコールを確認します。最後の電話をかけて、一日の最終更新をします。翌朝の書類と計画を準備して、一日を締めくくります。
私の役割について
私の日常は、毎日何か新しい状況がもたらされます。それこそが仕事をダイナミックで充実したものにしていると言えます。時には、一人の患者と一日の大半を過ごす時もあります。この場合、患者は多くの症状を抱え、投薬支援などの追加サポートを必要としています。一方で、ケアの目標や事前のケアプランを中心にした会話をする日もあったりします。
パンデミックの前から、私とチームが患者とつながるための主な方法は電話でした。
一部の患者は、「遠慮」する傾向があります。例えば、医者は忙しすぎるから些細な健康状態の変化も共有することを躊躇したり、家族介護者はチームに迷惑をかけたくないと考えたりします。私は、患者や家族が心配や負担なく、自分の考えを伝えられるように努めています。
とても思いやりがあり、素晴らしい人である八浪医師は、どんな人が電話をかけても決して面倒だと思うことはありません。反対に、電話してもらえないと少し傷つく、と冗談交じりで話してたりしています。願わくば、私たちが患者さん一人一人と話をしたい、それを喜んでいること、そして、私たちが患者さんから聴きたがっていることを、理解してもらえたらと思っています。
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