米国では65歳以上の4分の1以上の人々が一人暮らしをしており、その割合は年齢とともに増加しています[1]。家族が近所に住んでいる人もいるかもしれませんが、多くの方はそういった人がおらず、自宅で自立して生活を続けていくには、近所の友人や近隣の人たちに身の回りの世話を頼らざるを得ないのが現状です。世話の内容は、近所づきあいや食料品の買い出しのお手伝い、医者へ連れて行くことなど、多岐にわたります。
家族が近くにいない一人暮らしをしている友人や隣人を支援したい、またはすでに支援している人が知っておくべきポイントをまとめました。また、一人暮らしをしている方々のためのケアプランニングについてのポイントはこちらから。
コミュニティの中で本当にあった話についてはこちらから。
隣人や友人を助けている人のためのポイント
友人や隣人を手助けしている、または手助けしたい場合の留意点は?
コミュニティの中では、一人暮らしをしていて、身寄りが近くにいない高齢の友人や隣人をお手伝いしている人が多くいます。誰かのサポートネットワークに参加することは、かけがえのない支援を提供している一方で、注意すべき点もいくつかあるのも事実です。しかしながら、これらの注意点は、困っている高齢者を支援することを思いとどまらせようとするものではありません。
- 十人十色、状況は人それぞれ
十人十色と言われるように、状況は人それぞれで、ある人にとってうまくいくものが別の人にとってはうまくいかない場合があります。優先したい事項が何なのかよく耳を傾け、色々な選択肢を試すことにオープンであることが重要です。また、本人のことをすべて知っているわけではないことを心に留めておくことも大切です。
- 法的な文書が締結されていない場合、支援できる範囲に限度がある
法的な指定および/または文書がない場合、次の事柄はお手伝いできないことを留意してください。- 財政を管理する、または、彼らの資金を使って代わりに支払いをする
- 病院や他の医療施設に入院している場合、彼らの病状について詳しく知る
- 本人に代わり医療的、法的または財政的な決断を下す
- ただし、次のような形で支援することは可能です:
- 代わりに買い物などの用事を行う(彼らが支払うことが望ましい)
- 技術面での支援(電子メール、携帯端末などのセットアップ)
- 定期的に様子を見に行く
- 薬を代わりに取りに行く
- 医者などの予約に連れていく
- 必要に応じて、通訳や翻訳の補助をする
- 文書で証跡を残す
特に財政的、法的、または医療的な事柄が含まれる場合は、文書で証拠を残すことが重要です。例えば、近所の高齢の友人のために食料品の買い出しに行く場合、会計時に自分の商品と友人の商品を別々にするように依頼し、個別のレシートを入手します。隣人があなたにお金を支払った後、それを書き留めることが大切です。親切心からしていることなのでそこまでするのは大げさだと感じる方もいるかもしれませんが、文書で証跡を残すことは自分自身を守るのにも役立ちます。
- 友人や隣人に、法律、財務、医療の書類を整えるよう促す
まだ彼らが行っていない場合は、遺言書、事前医療指示書、委任状などの指定を完成させるように促します。
- お手伝いの範囲を考える
友人や隣人を助ける中で、自分ができる範囲、できない範囲を考えましょう。例えばですが、定期的に彼らの様子を見に行くことはできるけれど、予約がある医療施設まで車を出すことは少し心配だと感じるかもしれません。自身が手伝える範囲を決めたうえで、すべてにおいてお手伝いできない場合でも罪悪感を感じる必要はありません。
- 次の点に注意してください。このような状況は専門家の援助が必要なケースかもしれません。
- 高齢者が危険な状況にある、または危険な状況になる可能性があるように見えますか?
- 経済的虐待の兆候がありますか?
- その人は日常生活を正常に行うことができますか?それとも移動、家事、衛生管理などに問題があるように見えますか?
- 身体的に打撲傷や切り傷はありますか?
- 長期間、その人を見かけていませんか?
- 混乱しているように見えますか?話すときに理解不能な話をされていませんか?
- その人には助けを求めることができる人が他にもいますか?
- 経済的または医療的決定を自分がその人に代わって下している場合が発生していませんか?
- 高齢者が危険な状況にある、または危険な状況になる可能性があるように見えますか?
以下は、友人や隣人を支援するためのリソースです。
- 法的および財政的問題
- エステートプランニング専門弁護士とファイナンシャルプランナーは、さまざまな法律、財務、および医療文書の作成を支援できます。
- 専門のフィデューシャリー(受託者)は、認可された第三者の個人であり、指定された場合、個人に代わり法的、財政的、および医療的な決定を下すことができます。(https://pfac-pro.org/)
- Keiroのリソースディレクトリを利用し、相談先を検索することを検討してみてはいかがでしょうか(keiro.org/resource-directory)
- 社会福祉サービス
- 社会福祉機関は、追加の支援が必要になる可能性がある場合、または個人が危険な状況にあると思われる場合、個人の状況を判断し、必要なサービスと本人をつなげることができます。ただし、社会福祉機関は、特に個人の同意がない場合、提供できる支援が制限される可能性があることに注意してください。
- 日本語と英語の社会福祉に関するリソースについては、リトル東京サービスセンターに問い合わせることを検討してください。ホームページは (ltsc.org)
参考
1: https://acl.gov/sites/default/files/Aging and Disability in America/2018OlderAmericansProfile.pdf
リトル東京サービスセンター、Staci Tojiさん、並びに癒しケアチームの皆さん、記事編集へのご協力・ご指導ありがとうございました。