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グレン・コマツ医師は、緩和ケア分野において全米で著名な医師でありイノベーターです。また、彼は、自身のアイデンティティにとって重要な「日系三世」であり「農民の息子」とも自己紹介されています。 2017年、コマツ医師は、日系アメリカ人と日本人のコミュニティ内の高齢者に文化的に配慮した緩和ケアを提供するパートナーシップというアイデアの種を持って、Keiroにアプローチしてきました。この種から癒しケアが芽吹き、日本語の「癒す」という意味の言葉にちなんで名付けられました。

緩和ケアは、医師、看護師、ソーシャルワーカー、チャプレンなどの専門家チームが、重病の患者とその家族の双方を支援します。 「あなたの主治医に加えてケアが提供され、慢性または末期の病気のストレスを和らげるための追加のサポートが提供されます」とコマツ医師は説明しました。彼は、優れた緩和ケアプログラムの構築と成長に長年取り組んでいる医療システムであるプロビデンスで働いています。

癒しケアとの新進関係

癒しケアは、Keiroとプロビデンスのパートナーシップから発展しました。コマツ医師は、プロビデンスで緩和ケアとホスピスの分野の最高医療責任者を務めています。彼は、Keiroとプロビデンスとの間の協力関係を、Keiroのコミュニティにサービスを提供する革新的なプログラムとして説明しています。「私達双方に、奉仕するコミュニティの健康を改善するという同様の使命があることがわかりました。一緒に協力してそのビジョンに基づいて行動し、日本人と日系アメリカ人の人々の為にそのビジョンを実現する絶好の機会でした」と彼は言いました。

癒しケアの日本文化的な焦点も、また、緩和ケアの分野で親しみやすく、同時に唯一無二のものになっています。癒しケアチームには、日本語と英語のバイリンガルの専門家が含まれていますが、コマツ医師が指摘するように、患者との文化に配慮した関係の構築には、日本語を話すことや日本文化や日系アメリカ人文化に精通すること以上のものが含まれます。 「緩和ケアで私が教える基本原則の1つは、文化的謙虚さの概念です」とコマツ医師は話しました。 「すべての患者と家族はユニークです。緩和ケアの臨床医としての私たちの仕事は、その患者と家族の独特の文化を学ぶことです。彼らが日本人であること、または、日系アメリカ人であることをどのように解釈しているか、彼らがどのように生きているのか、彼らにとって何が重要なのか、彼らの人生において精神性がどのように彼らの人生で表現されているかを学ぶことです。それぞれの個人とその家族には、私たちが理解し受け入れる必要のある独自の文化があります」。

緩和ケアを根付かせること

コマツ医師は、2017年に癒しケアが始まった時を振り返り、次のように回想しています。「当初、私は、皆さんには、スロースタートに備えようと話しました。緩和ケアが専門医学と認定されたのは、2006年でした。一般の人々はそれが何であるかを知りません。他の既存の同等のプログラムはありません。これ[を理解していただく]には時間がかかります。」

2017年Keiro介護者カンファレンスで癒しケアについて講演するコマツ医師

時間の経過とともに、プログラムは成長しました。コマツ医師によると、初期の障壁は緩和ケアがホスピスケアと同じなのかどうかの混乱でした。この二つは類似しており、関連しています。緩和ケアは、深刻な病気の最初の診断から、病気のどの段階でも患者をサポートでき、患者が治癒的治療を求めている間もサポートを提供できます。ホスピスケアは、患者が治癒できない人生の最期の6か月間に緩和ケアを提供する、メディケアが定義した給付です。コマツ医師は次のように説明しました。「全人的ケアはすべての患者が受けるべきものです。しかし、人々は現実的な目標や生活の質ではなく、治癒と積極的な治療にのみに焦点を当てていることが多いです。これは、痛みや苦しみの一因となります。人々が緩和ケアのサポートを体験すると、彼らとその家族は信じられないほどの安心とサポートを感じます。」

開花について-そして次に向けて

癒しケアを開始してから3年で、このプログラムは250人以上の患者をサポートしてきました(今もその数字は上がっています)。コマツ医師は、彼が想像したようなケアのビジョンをチームが実現しているのを見て、大きな誇りを感じています。 「私が八浪医師(癒しケア主治医)の隣室に座っていると、一日中、八浪医師の日本語の話し声がして、患者さんやご家族とおしゃべりをしているのが聞こえます。彼が患者さんたちを助けているのを実感しています。彼は親切で思いやりのある存在感を持って専門家のアドバイスを提供していることを私は知っています。可奈子、ミホ、ジョシュアも同じです。彼ら全員が患者とその家族の世話をすることにどれほど熱心に取り組んでいるかを私は知っています。Keiroの支援により、私たちは素晴らしいチームを編成することができました。彼らが毎日人々を助けているのを見るのは私にとって喜びの源です。」

コマツ医師は、このプログラムが今後も繁栄し、成長し続け、コミュニティでより多くのことを支援できるようになるのを楽しみにしています。 「私は、癒しケアのように、日本人や日系アメリカ人コミュニティにサービスを提供するためのリソースと触れ合いを備えた他の組織やグループを知りません。私たちの人口は高齢化しており、癒しケアの必要性は高まるばかりです」説明しました。 「私の希望は、このコミュニティに奉仕することが無期限に続くことです。」

私たちに助けるチャンスを与えてください

癒しケアについてコミュニティに知ってもらいたいことを一つ挙げるとしたらと、コマツ医師に尋ねたところ、「私たちに、コミュニティの皆さんを助け、信頼を得る機会を与えてほしいというところでしょうか。 無料のサービスを提供しようとすると、人々は当然怪しみます。新しくて人々が聞いたことのないサービスを提供しようとすると、人々は当然懐疑的になります。 ですから、私はコミュニティの皆さんに、手を差し伸べる、助ける機会を与えるようにとお願いしたいです。」

「緩和医療の影響力は増すばかりです。人の寿命は延びるばかりで、それはいいことですが、同時にそれは障害や苦しみが長くなるという意味でもあります。癒しケアでもそれをみます。90代、100歳以上まで生きる方がいらっしゃいますが、助けが必要です。困難があったり、介護が必要だったり、家族がケアに困っていたり。癒しケアはそれらのニーズに応え、大切な家族のケアを支援します。」

-コマツ医師