アメリカでは2月を心臓月間と呼んでいます。これは心臓の健康と心臓病についての認識を高めることを目的としたものです。アメリカ人の成人の約半数は何らかの心臓疾患を持っているため、心臓の健康について認識を深めることはとても重要です。心血管疾患または心臓病には、冠状動脈性心臓病、心不全、心臓発作、高血圧など、様々な病気が含まれます(Adler, 2019)。

アメリカでは心臓病は死因の第一位となっています（National Heart, Lung, and Blood Institute, n.d.）。アメリカ人の成人の約48％が何らかの心臓疾患を患っていると推定されています。60歳から79歳の年齢層では、心臓疾患を持つ割合は男性で77%、女性で78%となります。80歳以上ではこの割合は上昇し、何らかの心臓病を患っている方の割合は、男性で89%、女性で92%となります（American Heart Association, 2020）。2015年の調査によれば、心臓病は、アジア系および太平洋系アメリカ人のグループ（AAPI）における死因の約21%を占めました（CDC, 2020）。心臓病はどの年齢の方にも影響を及ぼすものの、高齢者への影響はより大きく、またそのリスク要因には様々なものがあります。

リスク要因

心臓病の管理または予防には様々な方法があります。心臓病のリスク要因には、特定の健康状態や心臓病の発症を助長させる不健康な習慣が含まれます。リスク要因の中には、心臓病のリスクを低減するために対処することのできるものもありますが、できないものもあります。一般的なリスク要因には以下のものが含まれます（National Heart, Lung, and Blood Institute, n.d.）。

• 高血圧
• 高コレステロール
• 過体重または肥満
• 糖尿病予備軍または糖尿病
• 喫煙
• 運動不足
• 心臓病の家族歴
• 年齢（女性では55歳以上、男性では45歳以上）

管理と予防

健康的な生活習慣を取り入れることは、心臓病の管理または予防に役立ちます。年齢や遺伝的体質など、変えることのできないリスク要因もありますが、心臓病の発症リスクを低減させるものもあります。特に、高血圧と高コレステロールは2大リスク要因です。これらの数値を定期的に確認し、主治医と相談しながら血圧とコレステロール値を健康な範囲に保つことが重要です。またストレス管理も、変えられる要因です。ストレスは高血圧につながるだけではなく、喫煙、飲酒、過食といった不健康な習慣の引き金にもなります（National Heart, Lung, and Blood Institute, n.d.）。睡眠も心臓病に大きな影響を及ぼします。質の高い睡眠をとることで血圧が安定し、また免疫システムを健康に保つことができます（Adler, 2019）。

さらに、健康的な食生活と運動の二つも、生活習慣の改善点として挙げられます。アメリカ心臓協会（American Heart Association）は、成人が週に少なくとも150分間運動することを推奨しています。これには、ウォーキングやガーデニングなど中程度の有酸素運動も含まれています（Adler, 2019）。心臓を健康に保つためによいとされる食事には、葉物野菜、果物、全粒穀物、無脂肪または低脂肪の乳製品、タンパク質が豊富な食品が含まれます。心臓の健康を維持するためには、ナトリウム、飽和脂肪、および添加糖の摂取を制限することが推奨されています（National Heart, Lung, and Blood Institute, n.d.）。健康的な食生活と運動は、健康的な体重を維持することに役立ち、また心臓病のリスク要因となる過体重、肥満、高血圧に対処できます。生活習慣の改善は、様々なリスク要因に対処するために役立ち、心臓病の発症を回避したり、すでに心臓病を発症している場合でも進行による健康への悪影響を防ぐことにつながります。ただし、食事と運動のレベルを変更する前には、必ず主治医に相談するようにしましょう。

まとめ

心臓病は深刻な公共の健康問題であり、心臓の健康を良好に保つには、リスク要因とその管理方法を理解することが大切です。心臓病の発症に影響を及ぼすリスク要因は様々なものがあり、変えることのできないものもありますが、生活習慣を健康的なものに変えることで、対処できるリスク要因もあります。ストレスを管理し、健康的な食事を心がけ、定期的に運動することで心臓病を管理または予防することができるのです。