生前準備の項目には、リタイアメント・プランニング、長期の介護計画、お葬式の準備など様々な要素があります。そんな中、お葬式のプランニングは見落とされがちです。40歳以上の成人の69%が自分の葬儀について事前に取り決めておきたいと回答する中、実際に手配している人はわずか17%に過ぎません。葬儀の生前計画を立てる主な理由は、遺族の混乱や葬儀費用の心配をなくす為です(Famic, n.d.）。葬儀の事前準備を始めるのに最適なタイミングというものはありません。葬儀について話すのは難しく気が滅入ると思われるかもしれませんが、今始める事で、親族の将来的なストレスや混乱を避けることができるのです。

各種調査は、葬儀の生前準備が普及しないのは、人々がその必要性に無自覚なのではなく、先延ばしが主な理由と示しています。また、先延ばしとは感情のコントロールの問題であり、時間管理の問題ではないと示唆する研究が増えています。人が物事を先延ばしにする理由は、課題への嫌悪感、失敗への恐れ、フラストレーション、自信喪失、不安など様々です（Phillips, 2019）。ハケット博士は「我々は、重要なプロジェクトを進めるためには、誰にも邪魔されない、まとまった時間が必要だと考える為、結果的に先延ばしになってしまう。」と述べています。そこで博士が提唱するのは、複雑なプロジェクトにスイスチーズのような穴を開ける「スイスチーズ」テクニックです。「それはプロジェクトは途方もないレベルから、無理のない範疇に移行し、実行に移せるようになるのです。」（Hackett, 2015）

まずは４つの質問から

良いタイミングをただ待つのではなく、葬儀の事前準備プロセスを分割し、始めやすく整理する４つの質問があります。以下は、自分の葬儀に何を望むか、家族と何を話し合うべきかを考え始める際に役立つ質問です。

次のステップ

葬儀計画を始める心の準備ができたら、まず、どのような葬儀にしたいか、自分の考えや希望を書き出してみましょう。上述の質問に対して特に希望がない場合にも、あなたには特にこだわりがないとご家族に伝えておくことが、とても役に立つのです。4つの質問によって、葬儀のプランニングについて知りたいという意欲がわいてきた方は、以下にリストした参考資料等をチェックして、親しい方々との会話を始めてみてください。

葬儀の生前準備はプロセスであり、一度に全てを準備する必要はありません。これら4つの質問を参考に、ご自分の葬儀の希望について考え始め、話し合いを始めましょう。そして考えがまとまり始めたら、書面にまとめたり、自分の希望を伝える方法を弁護士に相談しましょう。 お葬式の生前準備のため参考文献

Why Plan Ahead for Funeral Wishes? （お葬式を事前に計画すべき理由）
Four-Step Funeral Planning（お葬式の事前準備の4つのステップ）
What to Do When a Loved One Dies（大切な人が亡くなったら）
Funeral Planning Checklist（お葬式の事前準備・チェックリスト）
Consumer Guide to Funeral & Cemetery Purchases（お葬式・埋葬の手配と料金）
Keiro’s Advance Care Planning（Keiroアドバンス・ケア・プランニング）