Published September 20, 2023

夏の暑さがようやく和らぎ過ごしやすくなる頃、ワクチンの季節が間近となりました。今年の秋冬シーズンは通常のインフルエンザワクチンに加え、新型コロナとRSウイルス、2種類のワクチン接種も検討しましょう。今シーズンの予防接種について以下まとめました。

インフルエンザ予防接種

生後6か月以上であればどなたでも、例年通りインフルエンザ予防接種を受けることが可能です。高齢者の接種頻度は毎年1回、9月から10月の間の接種が推奨されています (CDC, August 23, 2023)。

インフルエンザは年齢にかかわらず重症化する恐れがあり、特に高齢者はインフルエンザに関連した合併症のリスクが非常に高くなります。米国疾病対策センター（CDC）は、2022年10月から2023年4月までのインフルエンザ関連死は約19,000～58,000件という見解を示しています (CDC, May 26, 2023)。

RSウイルス感染症予防接種

RSウイルス感染症（Respiratory Syncytial Virus – RSV）は、軽度の風邪の症状がみられる呼吸器疾患です (CDC, August 4, 2023)。多くは2週間以内に治癒しますが、幼い子供や高齢者は重度の合併症を引き起こすことがあり、入院が必要となる場合もあります。

RSVの典型的な症状は、鼻水、食欲低下、咳、くしゃみ、発熱、息切れ等です (CDC, September 6, 2023)。

2023年6月、この病気に対する初めてのワクチンが発表されました。CDCは同6月下旬、共有臨床意思決定（SCDM）によって60歳以上の高齢者にこの新しいワクチン接種を推奨することを発表しました (CDC, June 29, 2023)。共有臨床意思決定とは、主治医を含む自分を担当している医療提供者との話し合いによってワクチン接種を受けるか否かの決定を行うプロセスです。尚、当該ワクチンは2023年8月中旬より接種可能となっています。

60歳以上の方でRSVワクチン接種を迷われている場合は、まず主治医に相談することをお勧めします。事前調査の結果によると、このワクチンは2年間予防効果が持続する（つまり2年毎の接種）とされていますが、さらなる研究が進められています(CDC, August 30, 2023)。

新型コロナワクチン（新ブースター）

2022年秋に新型コロナウイルスワクチンのブースター（２価ワクチン）が接種可能になりました。これは新型コロナウイルスの元株に加え、オミクロン変異種のBA.4株およびBA.5株に対応するものでした。

新型コロナウイルスワクチンは、新型コロナウイルスに伴う重病、入院、死亡から守ります。さらにブースター等最新のワクチン接種を追加することにより、予防効果が持続します。

新型コロナ感染者数は再び増加しています。ワクチンはウイルス感染そのものを防ぐほか、合併症の予防にも役立ちます。2023年9月11日、米国食品医薬品局（FDA）は新型オミクロンXBB.1.5株を含むコロナ株に対応する最新ワクチンを承認しました (FDA, September 11, 2023)。同年9月12日、CDCは（生後6か月以上の人々に）最新の予防接種を受けるよう推奨しています。このブースターは、9月中にお近く薬局で接種可能となっています(CDC, September 6, 2023)。