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葬儀計画について家族で話し合うことは一般的ではなく、自らの終焉について考えることは通常敬遠されがちです。しかしながら、早期に葬儀を計画することは、将来的に自分と大切な人々のストレスや負担を軽減することにつながります。

では、どこから始めればよいのか?どのようにして家族が自らの計画を検討するように促すことができるのか? Keiroは、葬儀計画について深堀するべく、福井葬儀のコミュニティ・リレーション副社長のサラ・福井氏とプレニード・カウンセラーのラッセル・タカシ・マルティネス氏にインタビューをしました。

段階的な会話が具体化につながる

プレニード・カウンセラーとしてマルティネス氏は様々な家族と会話する中で、葬儀準備に対して色々な向き合い方を見てきたと語ります。家族によっては自らの希望を率直に表現することにオープンな場合もありますが、始めることに躊躇する家族もいます。様々なアプローチを活用して、マルティネス氏は効果的な会話がスタートできるよう工夫しているそうです。

1つの方法に逆算して計画する方法があるそうです。棺の選択などから始めるのではなく、最終的に眠る場所を考えることから始めることです。そこから、「祖父母の隣に埋葬したいか? または特別な場所で散骨するか?」など、さらなる質問につながります。マルティネス氏は、「最終的に眠る場所は、棺や骨壺を選ぶよりも具体的で想像しやすいため、決めやすい場合があります」と述べています。

葬儀の準備について知らなかったこと

葬儀の準備は日常的にすることではないため、知らないことの方が多くあります。以下、共通して多くの人が気づかない葬儀の準備に関する点をまとめました。

1. 現在の価格が固定される。

何年も前に葬儀計画した家族は、計画した年の価格帯で支払うため、時間とともに発生する価格上昇から家族を守り、大きく節約することができます。2007年9月から2017年9月までの間に、葬儀費用の平均額は72.3%上昇しました。また、火葬または埋葬を行うかにかかわらず、埋葬棺の平均価格は115%上昇しました(米国労働統計局U.S. Bureau of Labor Statistics)。加えて、ほとんどの葬儀社や葬儀場は支払いプランを提供しており、葬儀費用を計画した時点で一括で支払う必要はありません。

Paper that reads Funeral Service Planning

2. 一度作成した計画は変更または移すことが可能。

葬儀計画はいつでも変更することができます。たとえば、火葬ではなく棺に入ることへ変更することもできます。また、葬儀を行う場所を特定の葬儀社や葬儀場で計画した後に、米国内の他の場所にその計画を移すことも可能です。海外への計画の移行は少し難しいかもしれませんが、たとえば日本に移住した場合や日本での葬儀を希望する場合、米国のほとんどの計画は使用されなかった場合に全額払い戻しが可能です。

3. 想定外の小さな決定事項がいくつもあります。

感謝状のデザイン、葬儀中に流す音楽、プログラム冊子の中身など、葬儀には、細かいながらも重要決定事項がいくつもあります。予期せぬ死や事前準備のされていない葬儀に関して、福井氏は次のように述べています。「短期間にそれだけ多くの小さな決定を急にしなければならない状況に置かれる方は多くの場合、気が遠くなり、決定疲労を経験することが多く見受けられます。」葬儀社や葬儀場との事前計画は、将来的にしなければならない決定事項を減らすことに役立ちます。

誤解されがちな情報

一般的な話題でないが故に、葬儀準備は誤解されやすいことが多くあります。以下多く見られる誤解をまとめました。

  • 誤解:墓地を購入するだけで事足りる。
  • 事実:墓地の購入だけでは手続きは完了しません。
    • 墓地を購入したから葬儀準備が全て完了するわけではありません。墓地の確保だけでなく、遺体の引き取り手配や死亡証明書の取得、そして火葬なども別途手配する必要があります。
  • 誤解:特定の形式に従った葬儀を行う必要がある。
  • 事実:自身の希望や好みに合わせて葬儀をカスタマイズできる。
    • 一般的な葬儀の形式に固執する必要はありません。近年、お祝い的でカジュアル、または活気のある葬儀も増えています。どのような葬儀にしたいかは、個々の希望に応じて自由に決めることができます。
  • 誤解:葬儀の計画は人生の終わりに近い人だけに関係するものである。
  • 事実:葬儀の計画は年齢に関係なく行うことができる。
    • 多くの人は高齢になってから葬儀計画を始める傾向がありますが、実際にはどの年齢でも計画を立てることができます。「最近では若い人々も増えています。身近な人の葬儀を計画する苦労や、計画がない状態で突然の事態に直面した経験をしている方が多く、葬儀計画によりオープンになっています」と福井氏は述べています。

自分のためよりも大切な家族のために

casket with roses on top

自身の葬儀を計画することは準備している本人に多くのメリットがありますが、最大の利点は、残される家族が自分の望み通りに葬儀を進められることにあります。「事前に計画を立てておけば、残される家族には、様々な決定事項に答えがあり、疑問が少なくて済みます」とマルティネス氏は強調しています。

事前計画は、家族が嘆き悲しむ中で一人で決断を下す負担を軽減するだけでなく、自分の望む形で自分の人生を思い出してもらうことを可能にします。葬儀のすべてを計画することは大変な作業かもしれませんが、多くの人が予想以上にスムーズにできたと感じることが多いそうです。

葬儀計画がまだの方は、「しない理由は何なのか」自分に問いかけてみてはいかがでしょうか。


Thank you to Fukui Mortuary’s Sarah Fukui and Russell Takashi Martinez for providing insight and information for this article.

man and woman smiling
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