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新年は家族団らんで色々なおいしい食事を囲む機会が増えます。普段と違う食生活になりがちですが、健康にも気を付けたい時期でもあります。今回は栄養士の資格を持つ武田佐多子さんに正月の食事の注意点やアドバイスをうかがいました。
- 暴飲暴食に注意
お正月という季節柄もあるので、会食する機会が増えますが、暴飲暴食が許されるわけではありません。腹八分目で医者要らず、という言葉のように、体調に配慮し、食事もアルコールも適量を目指しましょう。アルコールは一日にビール一本程度を標準と考えることが良いそうです。
- 餅に注意
餅は一度に大量に口に入れたり、慌てて食べるとのどに詰まることがあります。食べる時は気を付けて食べましょう。心配であれば、小さめに切って食べるのもよいです。
- お雑煮を食べる際は野菜、たんぱく質と一緒に
餅は白米をつぶしたものなので消化も良いですが、同時に白米と一緒で血糖値が上がりやすい食品です。特に糖尿病の方は、餅だけを摂取することは血糖値をあげることにつながるため、他のおかずと一緒に食べる事が必須です。数値が気になる方は先におせちの野菜やたんぱく質を摂取してからお雑煮を食べることをお勧めします。
- おせちを食べる際は塩分の過剰摂取に注意
昔からおせち料理は、日持ちするように全般的に味が濃い目のものが多く含まれています。そのため塩分の過剰摂取に注意する事が大切です。作る際に味付けを薄めにしたり、あるいは塩分が多いものは食べる量を少なめにしたりするなど工夫が大切です。
- 武田さんのお勧め:紅白なます
少し味の濃いおせちですが、紅白なますは消化を助ける食品とされています。また大根に含まれるジアスターゼ(消化酵素)は胸焼けや胃もたれに効果があるといわれています。大根、にんじん、寿司酢で簡単に作れるため、おせちを普段買う方もご家庭で作って、塩分少なめにし、たくさん摂取することをお勧めします。
一年の締めくくりと新しい年のスタート。今年はこれらのアドバイスを念頭に楽しい、健康的な年末年始をお過ごしください。
武田佐多子さん
日本女子大卒業、日本にて栄養士の資格を取得。三人の子育て経験を経て、現在献立の栄養計算やお弁当作り、出張での料理教室などを開催している。乳がんセミナーにて食事健康法について講演した経験有り。現在シミバレー在住。
豆知識:
御節について
おせちは、御節供(おせちく、おせつく)の略です。
中国から伝わった五節供に由来しますが、料理自体は江戸時代に武家作法が中心となって現在の形になったといわれています。地方によって中身は異なります。おせち料理の食材は、日本の昔からの願い事、習慣から生まれる洒落や語呂合わせから由来するものを用います。
例:
- 黒豆:まめに働き暮らせるよう願って
- 数の子:卵の数が多いことから子孫繁栄を願って
- 田作り:田畑の方策を願って
- 伊達巻:形が巻物に似ていることから知識が増えることを願って
- えび:腰が曲がり、ひげが長いことから老人の象徴、長寿を願って
- 栗きんとん:漢字で金団と書くことから金運を願って
- 昆布巻き:喜ぶの語呂合わせ
- ぶりの照りやき:出世魚であるぶり。立身出世を願って
- れんこん:穴が開いていることから先が見通せる先見性の象徴