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illustration of mother with arms around adult son

ヨウコさんは日本で生まれ、アメリカ人と結婚して渡米しました。しかし、夫から精神的・経済的な虐待を受け、生活のさまざまな面で十分な支援を得られない状況にありました。そのような中で、息子・ミナトさんの発達障がいに気づくのは遅れ、彼が小学校に入ってからのことでした。支援を必要とする息子を抱え、ヨウコさんは介護者として数多くの困難に直面することになりました。

しかし、同じような立場にいるのはヨウコさんだけではありません。高齢の親が、自分自身の健康や心身の不調を抱えながら成人した子どもの介護をすることは、大きな負担となっています。アメリカでは約100万世帯もの家庭で、高齢の親が障がいのある成長した子供を支えると同時に、自分自身のケアにも向き合っているのです。(Center for Medicare and Medicaid Services, 2021-2022)

リトル東京サービスセンター(LTSC)とKeiroはパートナーシップを通じて、日系アメリカ人および日本人コミュニティの高齢者のために、メンタルヘルスサービスへのアクセスを広げてきました。この取り組みによって、ヨウコさんのように文化的な配慮のあるサービスを必要とする多くの方々を支援することができています。

困難と不安と向き合う

ミナトさんは中学・高校時代、特別支援学級で学びましたが、適切なサポートを受けられないまま学校でいじめを経験しました。当時についてヨウコさんはこう振り返ります。「息子はいじめについて学校に相談しましたが、『嘘をついている』と言われてしまいました。私はどうしていいかわかず、『思春期だから仕方がないのかも』と思っていました」。高校を卒業した後も、ミナトさんへのいじめや支援不足の問題は続きました。発達障害者のためにサービスを提供する団体、リージョナルセンターで職業訓練を受けましたが、社会にうまく適応することはできませんでした。ミナトさんは、何度も仕事に挑戦しましたが長続きせず、しだいにその原因をヨウコさんのせいにするようになっていきました。

ミナトさんは、他の州に移り住むことを望みましたが、ヨウコさんはカリフォルニアで受けている福祉や支援サービスを失うことを心配し、ためらいました。また、友人たちはミナトさんの行動を心配すると同時に、ヨウコさんの介護ストレスも案じていました。そのため、ミナトさんをグループホームに入居させることを勧める声もありました。

心の支えを求めて

気持ちが押しつぶされそうになっていた2021年、ヨウコさんは、Keiroとのパートナーシップを通じて提供されているLTSCのメンタルヘルスサービスの広告を目にしました。そのころ、ミナトさんは仕事をせず、社会から孤立していました。ヨウコさん自身もとても苦しい状況にありました。ヨウコさんはこう語ります。「日本語で状況を誰かに話せるだけでもいいと思いました。話を聞いてもらうだけでも、、、。友だちには話せないことだから」

それからの4年間、ヨウコさんはLTSCのスタッフとのカウンセリングを定期的に受けました。彼女はこう振り返ります。「少しずつですが、話をすることで、何とか生きていけると思えるようになりました」。ヨウコさんは、自分が直面している困難を受け止め、それを口にすることを恥ずかしいと思わず、少しずつ自分への自信を取り戻していきました。また、利用できる支援について学び、積極的にサポートを求めるようにもなりました。

ヨウコさんは、ミナトさんにもっと自立してほしいと願っていますが、その大変さも分かっています。カウンセリングでは、息子のことや、今の生活が自分にどんな影響を与えているかを話すことができました。ヨウコさんは、そうした悩みに向き合うための方法を学び、息子との関係を少しずつ良くしていくように努力しました。その後、ミナトさんにも少しずつ変化が見られ、リージョナルセンターの支援を受けながらジムに通い始め、またヨウコさんが作る食事に感謝の言葉を伝えるようにもなりました。

「一歩ずつ、、、」

自身の老後のケアを考えるだけでも大変なことですが、障がいのある成人した子供のケアを考えることはさらに難しくなります。特に、自分で生活を支えることが難しい場合は、その計画には大きな不安が伴います。発達障がいまたは知的障がいのある人たちは、生まれつきの方も、後から障がいをもった方もいます。しかし、医療の進歩やコミュニティの支援システムの充実により、以前より長く、生活できるようになってきました。例えば、ダウン症で生まれた赤ちゃんの平均寿命は、1950年には26歳でしたが、2010年には53歳と2倍以上に延びています(Down Syndrome Population, 2024)。同じように、脳性まひ、二分脊椎、自閉症スペクトラム障がいなど、他の発達障がいや知的障がいをもつ方々の寿命も、この数十年で大きく延びてきました。

長い期間にわたって介護を担うことは、身体的・精神的・社会的・経済的に大きな負担になり、人生の質に影響を与えることがあります。すべてを背負うことは、とても大きな困難です。しかし状況が難しくなったとき、ヨウコさんはセラピーで学んだ知識や技術を、生活のさまざまな場面で活かしていくことができます。

ヨウコさんは60代後半になり、現在はスーパーでパートタイムとして働きながら、息子の自宅介護サービス(IHSS)の介護者としても活動しています。彼女自身も糖尿病や高血圧、炎症、視力低下などの慢性的な健康問題を抱えています。将来に不安を感じていますが、自分自身のことを大切にする重要性を強く意識しています。LTSCのスタッフ、特に彼女を支援し続けてくれたカウンセラーにはとても感謝しています。ヨウコさんは他の人へのアドバイスとして、こう語っています。「ひとりで悩まず、専門家に相談してアドバイスをもらうことをお勧めします。たとえ問題がすぐに解決しなくても、心の支えになります」

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