Published
「身体の声に耳を傾ける」
西南・シニア・シチズン・センター(以下、西南センター)の会長で、91歳の神田守さんは、自分の身体の声に耳を傾け、レイキ・ヒーリングやリフレクソロジーを行い、医薬品に頼らない生活を送っています。しかし、今までずっとこのような生活をしてきたわけではありません。
若い頃は会社での激しい出世競争や家族を支えることに精一杯で、よく身体を酷使していたそうです。ある日、健康でいるためには自分自身の身体の声に耳を傾けることが必要だ、とある医師が話しているのをラジオで耳にします。

その医師が言うには、「身体が伝えているサインに注意して気付いてあげなければなりません。人間は誰かに意地悪をすれば相手が言葉で直接文句を言いに来ます。赤ん坊であれば話せなくても泣くことはできます。しかしあなた自身の身体は、あなたに対して言葉ではなく不快感や痛みで訴えてきます。そのようなサインに気を配り、身体が必要としていることに全て対応していれば健康でいられるのです。もしその声を無視すれば、身体は休めさせるか病院に行かざるを得ないように追い込みます。そしてそれも長く無視し続けると、手術室へ行く羽目になってしまうのです。」
それ以来、神田さんは自分の身体のサインによく注意するようになったそうです。自身の身体が要することを知り、ちゃんと病院に行くことを守ることで、神田さんは元気な生活を続けられていると信じています。
この生活習慣を長年継続してきたことによって素晴らしい結果が伴ったそうです。彼の主治医も驚くことに、神田さんは91歳にして、処方薬が一切必要ないのです。また、最近運転のために眼鏡をかけるようになったものの、自動車免許を難なく更新しました。「今のところ順調です!」と、神田さんはクスッと笑いながら言いました。
もっと知りたいという好奇心
神田さんは、日頃からGoogleで健康に関する様々なトレンドを調べるほか、健康を維持するための最新情報の記事を読み勉強しています。そして、自分が習得したことを、西南センターが毎月発行するニュースレター内の「会長からのメッセージ」欄にて西南センターの方々と共有しています。神田さんは幼い頃から、常に「どうして?」と問い続けて母親を困らせるほど好奇心旺盛だったそうです。時間があれば、読書、勉強、そして新しい情報を探すそうです。

神田さんはKeiroが西南センターと提携して開催した健康セミナーに何度も参加していますが、特にKeiroとプロビデンスの革新的な『癒しケアプログラム』に関心を持っているそうです。「八浪医師がベニス・日系・コミュニティセンターで講演しているのを聞きました。ここには日本語話者がたくさんいるので非常に適しているプログラムだと感じました。病院には通常日本語を話せる医師がいないため医師が英語で対応し、誤解が生じることが多々あるのです。」メンバーを対象に、近く癒しケアについてのセミナーを開くことが楽しみだと神田さんは語ります。
他の人の話を聞く
神田さんは、自身の身体の声を聞くだけでなく、家から出ることができなくなったご近所さんや友人の話を聞くために頻繁に彼らの家を訪ねます。一緒にお茶を飲んだりスナックを食べたりしながら、相手が話したい事に耳を傾けて会話を楽しんでいます。
西南センターの事は当初ご近所さんから聞いたそうです。奥さんに先立たれて間もない時、お隣さんから「お昼ご飯をきちんと食べなければいけないよ。」と誘われるまで、西南センターの存在さえ知りませんでした。何度も誘われた末、西南センターを訪れてメンバーになり、そして建物の管理人を務め始め、最終的には会長として着任しました。
「西南センターは素晴らしい環境が整った場所です。ここがなかったら皆が集まることはできない。」と神田さんは言います。
意味が翻訳で失われないように
神田さんは、西南センターのメンバーたちの声にできるだけ耳を傾けようと努力し続けています。日本語が第一言語のメンバーがニュースレターを読んでいないと知ったときには、その理由を尋ねました。そして英語のみのニュースレターを読むことが大変だということを知った神田さんは、Google翻訳を利用して自身の記事を日本語に訳し始めました。そこで神田さんが一線を画すのは彼独自の翻訳方法です。Google翻訳が必ずしも正確でないことを知っているため、彼は一文ごとに日本語に訳されたものを再度英語へ翻訳し、少しずつ修正することにより、なるべく日本人の読者にも理解できるように努めているのです。
それでもまだたくさん学ぶことがあると神田さんは言います。現在、最高齢メンバーが103歳の西南センターでは、神田さんは他のメンバーから「ひよっこ」と呼ばれています。神田さんはこれからも身体の声、また、自身の率いる西南センターのメンバー達の希望やニーズに耳を傾けながら、より沢山の知識を身につけたいそうです。