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「癒しケアのお陰で叔父と私(介護者)の生活の質も改善されました。」

アイリーン・タニモト・マツウラさんにとって、介護はなじみ深いものです。彼女は両親に加えて、高齢の親戚の介護も経験しています。ここ数年は癒しケアによる支援の下、100歳になる叔父、カズオ「ケイ」タマキさんの介護にあたっています。癒しケアは日系アメリカ人および日本人コミュニティの高齢者を対象とした、コミュニティに根ざした緩和ケア・プログラムです。

長年サンフェルナンド・バレーで暮らしてきたケイさんですが、近年は身の回りのことを独りで行うことが難しくなっていました。親族も、転ぶことも多くなったケイさんの一人暮らしに不安を感じるようになり、ケイさんはアイリーンさんの自宅近くのアシステッドリビング施設に入居しました。

日本語返り

ケイさんは帰米二世(米国生まれ日本育ち)で英語と日本語のバイリンガルです。アイリーンさんが幼いころから、ケイさんは主に英語で話していたそうです。

「しかしここ数年、ケイ叔父さんは徐々に(彼にとっての第一言語である)日本語で話すようになってきたのです。私は多少日本語がわかりますが、叔父さんとのコミュニケーションが難しくなってきました。」とアイリーンさんは説明します。

アイリーンさんはKeiroで働いている娘の友人を通し、癒しケアのことを知りました。 「緩和ケア・チームが日英両語で会話してくれるので、非常に助かっています。特に叔父に健康や医療について説明する際には、とても助かります。」

事前指示書や難しい決断のサポート

アイリーンさんは何年もの間、ケイさんに事前医療指示書(ADVANCE HEALTH CARE DIRECTIVE)を作成するよう促していましたが、聞いてもらえなかったそうです。このことを癒しケアの八浪祐一・エドウィン医師に相談したところ、八浪先生が事前指示書の重要性をケイさんに説明してくれました。

「すると叔父はすぐに指示書に記入してくれたのです。とっても安心しました。」

アイリーンさんは医療上の難しい決断を下さなければならなかった際にも、癒しケア・チームにアドバイスを求めたそうです。昨年、ケイさんは転倒して入院を余儀なくされました。退院時に担当医療関係者からケイさんをホスピスに入れるよう強く勧められたそうです。

「[医療関係者は] 叔父が高齢だということを繰り返すばかりで、私にはそれ以外の理由が良くわかりませんでした。そこで癒しケアに電話をすると八浪先生が翌日、早速叔父の様子を診に来てくださいました。私は先生とホスピスの良い点と悪い点について話すことができ、そのおかげで、当面は緩和ケアにとどまると心を決めることができたのです。とても助かりました。」

心を開く

癒しケアを受けて最も有益だったことのひとつは、ケイさんが自分の健康問題についてより話しやすくなった事だそうです。

「以前のケイ叔父さんは典型的な二世の高齢男性、つまりとてもストイックで、とても頑固で、痛くても我慢するという人でした。そのため助けが必要かどうか、周りからはわかりづらかったのです。しかし八浪先生とそのチームの方々が、趣味や好きな食べ物、どんな運動をしているか等もじっくりと聞いて下さり、叔父のことを知るために時間を割いてくれました。今では叔父は具合が悪いと、私よりも先に八浪先生に伝えるんです!」

アイリーンさんは既に友人達に癒しケアを薦めています。助けが必要な方々には、是非問い合わせてみるように勧めたいとのことです。

「チームの方々は非常に親切で思いやりがあり、素早く対応してくれます。患者やその家族を知るために時間をかけることによって、信頼が築かれ、その信頼が将来的に高齢者の介護に関わる全ての人達の生活の質の向上につながるのです。」