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感染症の世界的大流行は、社会的な孤立問題を増幅させました。特に高齢者への影響が大きく、私たちのコミュニティも例外ではありません。高齢のご親族・友人に最後に連絡を取ったのはいつですか?小さなことかもしれませんが、ほんの少しの接触や会話によって高齢者の生活の質を大きく向上することが出来ます。

世代間交流の効果

two men speaking with linked arms
  • より広く新しい視点の獲得 – 友達の輪の中に様々な年齢の人がいれば、物事に対する視野の拡大に役立ちます。年上の年代は考えが古く柔軟性に欠けるという固定観念を持つ人もいるでしょう。しかし世代間交流があれば、若者世代も年長世代もそれぞれがより広い視野を持つことができるようになります。会話の中で若者からは新しいアイデアを、年長者からは長年の経験による見識を提供することが出来るのです。(Coxwell, 2020
  • 固定観念や高齢者差別の軽減 異なる世代の交流は、他の世代の人たちに対する思い込み、先入観、固定観念を取り除くことに役立ちます。コーネル大学の研究によると、老化プロセスの教育に連動して世代間交流を行うカリキュラムは、このような偏見を削減するのに役立つことがわかっています。(Kelley, 2019
  • 年齢を重ねる事に対する前向きな姿勢 AARPが行った調査によると、他の世代と親密な交流がある人の方が、年を取ることに対して前向きな態度である傾向が強いとされています。(AARP Research, 2019

世代間交流時のポイント

man in wheelchair speaking with woman
  • 異なるボキャブラリーの認識 – 年齢に関わらず、人が使う言葉・単語には馴染みがない場合があります。例えばある年代の人達だけが理解できる略語や流行語、特定の番組や歌詞を見聞きした人だけに分かる言葉などが挙げられます。分からない場合は質問し、気長にお互いから学ぶように心がけます。
  • 非言語コミュニケーション – ボディ・ランゲージを使い、会話に積極的であるという姿勢を示しましょう。携帯電話を見るなど注意を逸らすような行為は、交流の効果を損なう恐れがある故、控えるようにします。
  • 違いを認め、共通点をみつける – 個人の好みや経験はそれぞれ異なることを理解した上で、相違点に目を向けるのではなく、共通点と時代を超えた全年代に関係する話題をみつけるようにします。
  • 偏見なく、積極的に話を聞く – 異なる考え、見識、アイデアを聞く姿勢を持つようにします。
  • 柔軟性と寛容性 – どのように交流したいか、相手と自分では異なる場合があります。妥協点をみつけるようにしましょう。片方は直接会いたいのに、他方は電話で話したいという場合もあります。時にはいつもよりゆっくり話さなければならないこともあるでしょう。(聴力の低下など)身体的な理由を加味しなければならいこともあります。柔軟性と寛容さを忘れないようにしましょう。

出展:

AARP research. (May 2019). The Positive Impact of Intergenerational Friendships. Retrieved from https://www.aarp.org/content/dam/aarp/research/surveys_statistics/life-leisure/2019/friendship-across-the-ages.doi.10.26419-2Fres.00314.002.pdf

Coxwell, K. (2020). Friendships Across Generations: The Powerful Benefits of Younger Pals. Retrieved from: https://www.newretirement.com/retirement/friendships-across-generations-the-powerful-benefits-of-younger-pals/

Kelley, S. (2019). Education, interaction with older people reverses ageism. Retrieved from: https://news.cornell.edu/stories/2019/06/education-interaction-older-people-reverses-ageism