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白髪染めは興味あるトピックですが、実際に話題に上がることはあまり多くないようです。2022年6月、Keiroは髪染めに関する匿名のアンケートを実施し様々な年齢層の129名からご回答をいただきました。

隠す必要性

髪を染める理由は様々ですが今回の調査結果によると「白髪を隠したい」というのが一番目の理由、二番目は僅差で「若く見えるように」でした。

年を取っていくことを受け入れるのは、多くの人にとって難しいことかもしれません。あるアンケート回答者は「髪を染めないことで多くの時間とお金を節約できるかもしれないが、白髪に伴うレッテルを受け入れることは、それを隠し続けるのと同じぐらい難しいのかもしれない」とコメントしました。

グレーや白髪を含めて、年を取っていく兆候を隠し続けなければならないという、家族や友人、職場など多くの社会的なプレッシャーがあります。しかし、年を取るのは避けられないわけで、前向きに受け入れる方法も様々あります。

専門家の意見

hair color transformation
Photo Courtesy: @JackMartinColorist

Keiroは、34年以上この業界で活躍してきたカリスマヘアー・カラリストであるジャック・マーティン氏にインタビューしました。マーティン氏は様々な髪のタイプや色を、おしゃれなシルバーやグレーに変える「シルバー・トランスフォーメーション」を流行らせた第一人者として最もよく知られています。彼の所へ来る多くの人々は、それまで定期的に髪を染めていましたが、自然な外見を受け入れてシルバー・ヘアへの変身を決意しているそうです。

彼はサポートしてきた多くの顧客がグレーヘアへの変身を決意する際の共通する理由を以下のように説明しました。

  • メンテナンス :2~3週間ごとに毛根を染めるのは面倒。
  • 仕事 :退職または仕事を辞めたため、白髪を隠す必要がなくなった。
  • パンデミック :パンデミックの間、髪の毛を染められなくなったり在宅勤務で、それほど気にならなくなった。
  • 医療上の理由:毛髪染料にアレルギーがあったり、将来アレルギーが発症する可能性がある。
  • 髪を傷める :マーティン氏は髪染めが必ずしも髪を傷めることはなく、むしろ髪の量が増えることもあると語る。ただし、定期的な脱色は髪に大きなダメージを与える可能性がある。
  • 流行:SNSの利用増加が、グレーヘアの流行に一役買った!他の人のグレーヘアを目にすることで、自分もやってみようと思えた。

白髪を受け入れる

定期的な髪染めをやめたアンケート回答者の86%が、髪を染めなくていいことを嬉しいと感じ、14%は髪を染めるかどうかに特にこだわりが無く、髪を染め続けられたらよかったという人は一人もいませんでした。自身の白髪やグレーヘアを純粋に気に入って受け入れているという点で多くの回答が一致しました。

マーティン氏の経験では、グレーヘアが伸びると(全員ではないとしても)ほとんどの顧客が自身の自然の髪色の美しさを心から楽しんでいる様子を確認できるそうです。彼は「私が(グレーヘアへの)変身を手伝うと、クライアントはご自身の姿を見て涙を流して感謝されます。もっと早くこうすべきだったとおっしゃいます。」と語りました。

変身を考える

グレーヘアを受け入れた人が前向きな変身を遂げた一方で、髪を染めている人の62%は継続して髪を染める意向だと回答しています。マーティン氏は、変身を考えてはいるものの、ためらっている人たちに3つの方法を推奨しています。

  1. フォトショップ :誰かに頼んだり、スマホのアプリでデジタル加工して自分の写真の髪の色をグレーにしてみるのも、違うスタイルの自分をイメージしやすい方法です。
  2. ウィッグ :自分の写真を見るだけでは不十分であれば、グレーヘアのウィッグを試してみるのも一つの方法です。
  3. 流行に乗ってみる:マーティン氏は自分の作品を共有したり、変身を成し遂げたときに体験する前向きな感情等のサクセスストーリーを伝えることに喜びを感じています。

年を取って見えることを心配する顧客に相談される時、マーティン氏は通常、全てのオプションを提示し顧客のあらゆる疑問に答えますが、変容を強制することは決してありません。髪を染めることで安心感を得られるのなら、自分の外見を心地よく感じられることを続けることを勧めています。

選択の力

woman pulling back hair

ありのままの姿でいて心地良いこと、そして自分の容姿について決断する自主性を持つことは、良い生活の質、クオリティ・オブ・ライフを保つうえで非常に重要です。定期的に髪を染めるというアンケート回答者のうち、多くの人は髪を染めることで自信を深め、若い気持ちでいられるとコメントしています。

髪染めを卒業することは、髪を染めることが習慣となっている場合は特に難しい決断かもしれません。髪をグレーにする決心をする良いタイミングはいつかという質問に、マーティン氏は「正直、ベストなタイミングというのはありません。その人によるからです。」と答えました。

その決断を自分自身で選ぶことにパワーがあります。選択肢がなくなってしまったから唯一の選択肢としてグレーを選ぶのではなく、自分自身で積極的に選んだ決断であってほしいものです。一番重要なのは様々な選択肢のなかから、自分自身が選んだと得心できることです。

マーティン氏の最終的な目標は、白髪が老化の兆候だというステレオタイプを打破することです。「女性がグレーヘアを老化のシンボルとしてではなく、単なる色として見るようになってほしい」と彼は言います。「他の色と同じです。シルバーの髪は美しくとてもエレガントです。怖がる必要はありません。」