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敬老の過去、現在、将来
敬老シニアヘルスケアは、地域社会のリーダー8名が日系の病院を購入することによって1961年に創設され、日系米国人および日本人コミュニティーの人々に病院での介護を提供していました。この病院は1985年に閉鎖されました。敬老看護ホームは1969年に開設され、これに続いて引退者ホーム、中間看護施設(ボイルハイツの旧ユダヤ人高齢者ホーム)、そしてサウスベイでの二番目の看護ホームが開設されました。敬老は、文化的背景を考慮した環境の中で、思いやりのこもった質の高いヘルスケアを提供するために、これらの施設を所有、運営、保持しました。我々のミッションは単純なものでした: 我々のコミュニティーの高齢者の生活の質を向上させる。
1961年から2000年の間、世界が変化していた一方で敬老ヘルスケアは拡張しました。敬老の創設当時、ロサンゼルス市の人口は現在より4割少なかったものです。ボイルハイツは現在では95%がラテン系住民ですが、創設当時はユダヤ人、ラテン系、ロシア人、ポルトガル人そして日系米国人などが混じっていて多様な住民構成でした。それにもかかわらず、こうした変化が起きている間、我々のコミュニティーの高齢者である日系米国人と日本人は年を重ねると敬老の施設に入居し 、敬老はこうした人々にヘルスケアサービスを提供することができました。
10年ほど前に、カリフォルニア州の各地で、敬老と同様な大半の非営利高齢者介護施設の状況が変わり始めました。米国国勢調査によると、65歳以上の高齢者の97%以上が施設より在宅で年を重ねるということです。敬老では、引退者ホームの入居への応募が過去10年間で8割も低下しました。ヘルスケア、労賃その他の経費と合わせて、経費が増え続ける中で、敬老の収入は減り始めました。こうした事実を踏まえて、敬老の理事会は難しい決断を迫られました: (1) 敬老の低迷を続けさせていづれは施設閉鎖をして、創設者が懸命に築いた全資産を失ってしまう、 (2) 施設がある場所の人々へのヘルスケアを支援する人口基盤のヘルスケアへと決意を変える、つまり日系米国人、日本人高齢者を支援する敬老の資源と能力を制限する、あるいは (3) 施設を売却し、施設であろうと在宅であろうと我々のコミュニティーの高齢者にサービスとプログラムを拡張するべく売却益を活用する、という3つの選択肢がありました。
敬老施設の売却に関する基本的な事実はすでにご存じのとおりです。長年の調査と議論に基づいて、敬老はパシフィカ社への施設売却に合意しました。公示とコミュニケーション、それにカリフォルニア州法務長官室による厳密な審査プロセスを経て、売却は2015年9月2日に承認されました。法務長官によって課せられた取引文書とその条件には、移行の影響を低減させるための条項が入っていました。この期間中、敬老との関わりが限られているか、あるいはほとんど関わりがない声高い小グループが売却を阻止しようとしました。政治的、法的な挑戦を含めてこのグループの努力にもかかわらず、この阻止への努力は失敗し、2016年2月5日に売却が完了しました。売却完了に伴い、我々は本件が落着し、コミュニティーとして一丸となって癒し前進できるよう望んでいました。残念ながら、我々は間違っており、我々への攻撃はいまだに続いています。
敬老での経験を合算すると合計170年になるという我々の理事会は、売却が必要だったということを示す事実、数字、経済動向を知っていました。理事会のボランティアとして、我々には、高齢者が望むような形で年を重ねられるよう高齢者、その家族、介護提供者を助けるために必要な支援や資源を、敬老が提供してゆくことを保証するという義務があります。敬老の創設者は、現在我々が遭遇しているのと同じ環境に直面しているとすれば同じ決断をする、と信じています。我々は、新経営者の行動をこの数カ月観察してきましたが、我々の高齢者は以前に経験されたのと同じように質の高い介護を受けておられると自信をもっています。我々が話を伺った居住者と家族の方々も同じように指摘されます:『何も変わっていません。』 それは我々が聞きたい言葉であり、この状態が続くように我々も努力を続けます。ウェブサイト www.keiro.org/about/transition をご覧いただき、売却についての誤解を是正する情報シート (敬老: 誤解を是正) をぜひご一読ください。
皆様がご承知おきのように、敬老では運営幹部の指導陣に変更がありました。明らかにしておきたいことがあります、それはショーン・ミヤケ氏が立派な理事長兼CEO であったこと、父母、祖父母、叔父叔母、姉妹や兄弟を含めて我々の高齢者が最善の介護を受けられるよう保証するべく20年以上もの歳月を捧げそして引退した、ということです。ショーンは名誉ある高潔な人物です。引退に当たって素晴らしい老後を過ごすように願い、かつ我々のコミュニティーへの長い歳月におよんだ業務に感謝します。敬老がその将来へのビジョンを再編するときに、これまでとは違った指導者としての技能、経歴、経験、関係というものが必要になります。今後の我々の団体を導く指揮を取るにふさわしい経験を積んだ有能な人物を探しています。
敬老のミッションは55年前と変わりませんが、我々のコミュニティーの高齢者の生活の質を向上させる方法は変わりました。敬老は現在、ボランティアプログラムの管理と、旧施設での数件の改善プロジェクトの完了をさせ、教育的なクラス提供と居住者の特別アクティビティーや行事の支援を行うことによって、旧施設の居住者への支援に取り組んでいます。プログラム、行事、研究や各種クラスを通じてロサンゼルス、オレンジ、ベンチュラ各郡にお住いの我々のコミュニティーの何千人もの高齢者に支援をするべく努力しています。
敬老の将来性について我々は希望を抱いており、我々のコミュニティーの高齢者に核となるサービスの提供を続けることを嬉しく思っています。同時に、旧施設に居住する人々、また、在宅で年を重ねることを選ぶ人々にもサービスを拡大してゆきます。我々のコミュニティーの著名な人々や高齢分野での専門家の方々から様々なご意見・示唆を承りました。現在、我々の戦略計画作成プロセスの一部としてこうした情報を検討しています。今後さらに詳細を皆様にお知らせできると思います。
1961年以降、様々な変化がありました。我々は将来に期待しています。我々は敬老の将来に楽観的で希望を抱いております。日系米国人および日本人高齢者が、高齢者に対するサービスの提供、介護提供者への支援、敬老の旧施設居住者へのプログラムの継続という我々の焦点を通じて、尊厳、活力、自信をもって自ら選ぶ方法で年を重ねられるように、我々のコミュニティーの全ての人々へ支援を呼びかけています。、皆様が、我々の歴史を覚え、今日必要な支援と思いやりを提供し、そして新しい敬老の構築にぜひご協力、ご参加いただくよう、心からお願い申し上げます。
敬老理事会
アーネスト・ドイザキ
ジェフ・フォリック
ジェラルド・フクイ
トーマス・イイノ
ジョン・イケガミ
ゲイリー・カワグチ
リン・ミヤモト
マコト・ナカヤマ
スチュワート・ツジモト
ルース・ワタナベ