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たった一本の電話で変わること。―これは義理の父親を介護していた方が、「癒しケア」プログラムの医師とのわずか30分の会話で Peace-of-mind、心の安らぎを得ることができたお話です。

皆さんはかかりつけの医者の診療を受けた際、質問があっありながらも「大した問題ではないかもしれない、今日はこれで十分。」と自分にいいきかせ、そのまま帰ってしまったことはありませんか?医療用語やコンセプトが理解できなくても「基礎的な質問だったら、先生に時間をとらせては申し訳ない…」と遠慮をしてしまったり。自分の悩みを打ち明けるのを躊躇して、つい「特に気になるところはありません」と答えてしまったり。「先生は忙しいのだから、お時間を取るは申し訳ない。私が心配しすぎなだけ。」と自己完結してしまったり。

私たちのコミュニティでは多くの場合相手への思いやりから「遠慮」という日本人ならではの文化を大切にしています。お互いに尊重しあい、思いやり、出しゃばらず、事を荒立てず、相手になるべく迷惑をかけないようにと配慮する。多くの日本人・日系人がこの文化的基盤を大切にしていますが、それは本当に必要な時に助けを求める妨げになることもあるでしょう。

これはそんな「遠慮」の一歩先へ踏み出した義理のお父さんを介護するヒロシさん(仮名)のお話です。

彼は95歳の義理の父の心配をしていました。認知症を10年以上患い、呼吸困難や腎臓機能の低下等で入退院を繰り返していました。彼のためにどのような選択肢があるかを知りたかったのですが、どこに相談していいかわかりませんでした。

そんな時に同僚からKeiroの「癒しケア」について教えてもらいました。ですが、彼も最初は家族のことを親族以外に話すことをためらっていました。また、他の医師に相談することは、かかりつけのお医者さんに対して失礼にあたるのではとの懸念もありました。

ですが、自分の大切なお義父さんのために何か助けになる情報があるかもしれないと、遠慮を振り払って電話をかけました。

電話を掛けたことで心の安らぎ(Peace-of-mind )を得ることができた、とヒロシさんは語ります。驚きだったのは「癒しケア」チームのコマツ先生がヒロシさんの心のうちや心配事を30分もかけて聞いてくれたことでした。コマツ先生は、ヒロシさんの判断を否定したり、無理やり説得することなく、どのような選択肢がお義父さんにあるかを丁寧に説明してくれました。「本当に電話してよかったと思いました。ホッと安堵することができました。親切にじっくり話を聞いてもらえると、心に安らぎ(Peace of Mind)が生まれました。話しを聴いてもらえて本当に良かった。」とその時の気持ちを振り返っていました。

コマツ先生との会話の後「癒しケア」チームのソーシャル・ワーカーから、先生から説明のあった選択肢についてのヒロシさんの考えや、他にも質問や心配事がないかと連絡がありました。

ヒロシさんは「癒しケア」について「他に類をみないリソースだと思います。何をしたらいいか、どこに相談していいのかわからずに、困っている方には特におすすめします。大切な人に最善のケアを望む気持ちは皆共通だと思いますから。」と語ってくれました。

「 癒しケア」についてのお問合せ・お申込みは 213.873.5791 へお電話をいただくか ウェブサイトからご連絡ください。

本人の希望により、匿名で掲載させていただいています。

癒しケア」は Keiro とプロビデンスの提携により実現した、プログラムの名称です。進行性の病や衰弱等の深刻な病をかかえる、日系アメリカ人および日本人の高齢者の為の文化的背景や価値観に配慮した緩和ケア・プログラムです。このプログラムでは痛みの緩和ケアのみならず、患者及び介護者が抱える問題やストレスも緩和するお手伝いをします。