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どれだけ飲んだら飲みすぎ?

お酒は心臓に良いと言われていますが、これは節度を守った飲酒の場合です。男性なら1日2杯、女性なら1杯までが適量といえます。確かに、アルコールは心臓病予防の効果がありますが、過度の飲酒や長年に渡る飲酒は血圧を上昇させるので、心臓病や他の病気のリスクも大きくなります。これでは、お酒が体に良いのか悪いのか分かりませんよね?一体、アルコールはどのくらい飲んだら飲み過ぎなのでしょうか?

どのくらい飲んだら飲みすぎ?

国立アルコール・アルコール依存症研究機関(国立衛生研究所の一部) は、65歳以上の成人には1日に3杯、一週間に7杯までの飲酒を薦めています。しかし、新陳代謝や健康状態、服用薬などの個人差があります。

では、「お酒1杯」とはどのくらいなのでしょうか? それはお酒の種類によって異なります。

  • ビール、エール、ワインクーラー → 12オンス缶・瓶x1
  • モルトリカー → 8-9オンス入缶・瓶x1
  • 赤・白ワイン(日本酒)→ 5オンスのグラス1杯
  • ジン、ウォッカ、焼酎などのスピリッツ(蒸留酒)→ 1.5オンスのショットグラス1杯

高齢者の飲酒はどのような影響がありますか?

歳をとるにつれて、私たちの体はアルコールに対して若かった時と異なった反応を示すので、注意する必要があります。加齢とともに、私たちの体はアルコールにもっと敏感になり、若い時に比べて、わずかな量のアルコールでもほろ酔い、もしくは酔っ払ってしまうことがあります。なぜなら、高齢者の体は新陳代謝が遅くなり、体内の水分の量も減るからです。

また、高齢者の多くは何種類もの薬を服用しており、これらの薬とお酒が反応し、危険な状態を引き起こすこともあります。以下の薬を服用している人は、よく注意しましょう。

  • アスピリンや関節炎の薬=内出血のリスクを高める。(胃、腸)
  • アセトアミノフェン(鎮痛剤)=肝臓疾患
  • 抗ヒスタミン剤を含む風邪、アレルギーの薬=眠気を生じ、バランスに支障をきたす。
  • 風邪シロップや下剤=薬の成分にすでにアルコールが含まれているので体内のアルコール量を高める。
  • 睡眠薬、痛み止め、抗うつ剤=眠気 動きが鈍くなる、呼吸困難、心臓脈拍の増加、記憶障害、もしくは死にも至るあらゆる問題を引き起こします。
  • 高血圧、糖尿病、潰瘍、通風、心臓病の薬=これらの状況を一層悪くさせます。

このような危険な反応をを避ける為に、薬の説明を読みそれに従ってください。服用された薬は数時間は体内に残ります。したがって、薬を飲んでから数時間以内に飲酒した場合は、まだお酒との危険な反応を引き起こす可能性があることに注意しましょう。

お酒は私たちの体にどのような影響を与えますか?

長期にわたる飲酒は健康状態にさまざまな影響を及ぼします。

  • 癌、肝臓への害、免疫障害、脳障害
  • 骨粗鬆症、糖尿病、高血圧、潰瘍等の症状の悪化
  • 高齢者に物忘れや混乱を引き起こし、これがアルツハイマー病やその他の認知症と誤診されることも

飲酒について考えるべきだと判断するサインは?

毎日お酒を飲む人の全てが酒癖が悪かったり、周りに迷惑をかけているわけではありません。同様に、このような問題のある人が毎日お酒を飲むというわけでもありません。では、楽しいはずのお酒が、周りに迷惑をかけたり、自身の健康を害していると、どのように判断したらよいのでしょうか?もし、以下の質問事項にひとつでも「はい」と答えた場合は、飲酒について考えたほうがよいでしょう。

  • お酒の量を減らすべきと感じたことがありますか?
  • 他人からあなたの飲酒についての批判を受け、それを不愉快に思ったことがありますか?
  • お酒を飲むことがよくないと感じたり、罪悪感を抱いたことはありますか?
  • 精神をを安定させる為、あるいは二日酔いを治す為に、朝一番にお酒を飲んだことがありますか?

このほか、お酒を飲んだのに飲んでいないとうそをついたり、人に見つからないように隠れてお酒を飲んだりしたことのある場合も、問題があると考えられます。

飲酒問題に取り組むための手助けはどこで得られますか?

「飲酒問題をどうにかしたい」とお考えの方には、それをサポートするプログラムがたくさんあります!そして、ほとんどの人が飲酒問題の治療に成功しています。まずは、次の事柄を実行しましょう。

  • 医師に飲酒問題について相談しましょう。多数ある治療法の中から、自分にあったものの選択をサポートしてくれます。
  • サポートグループを探しましょう。飲酒問題のある人は同じ問題を持つ人々に話すことが助けになります。たとえば アルコール依存者の集まり(AA) をはじめとする自助グループは飲酒問題を持つ多くの人々を助けています。
  • 個人、家族またはグループカウンセリングを受けましょう。飲酒問題を専門に取り扱うカウンセラーやセラピストがサポートします。

もっと詳しい情報はどこで得られますか?

National Institutes on Aging
NIA Alcohol and Aging

National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism
[email protected]

Alcoholics Anonymous
[email protected]