乳がん検査:早期発見の重要性
乳がんは、特に高齢の女性の間で最も発病率の高いがんです。2009年には20万人以上が新たに乳がんと診断され、女性の8人に1人は乳がんになる可能性があるといわれています(1)。定期的に検査を受ければ、早い段階で乳がんを発見し、治療を開始できる可能性があります。
乳がんのリスクは何ですか?
女性であること、高齢、家族に乳がん患者がいるなどの事柄はすべてリスクとして挙げられますが、これらはどうしようもできないことです。乳がんの症例の2/3は閉経を迎えた女性だそうです(1)。遺伝や家族に乳がん患者がいたという事実は、ごくわずかな症例にしか影響を与えていませんが、がんを発病する可能性はかなり高まります。白人はアフリカ系人種、ラテン系人種、アジア系人種よりも乳がんの発症率がやや高いようです。生活習慣の要因としては、太りすぎや肥満、運動不足、多量の飲酒などが挙げられます。
何歳から、どのくらい頻繁に乳がん検査を受けるべきですか?
検査を受ける年齢や頻度にはいくつか異なった見解があるようですが、 米国がん協会 (American Cancer SocietyまたはACS) とthe Mayo Medical Clinic は40歳から毎年マンモグラム検査 (乳房のレントゲン写真) を受けることを推奨しています(1,2)。一方、マンモグラム検査は50歳以上、または閉経後で良いとする意見もあるようです。さらに、次の検査までの間に乳房の変化があった場合、それに気づくことができるように、乳がんの自己検査の正しい方法を知っておくことも重要です。米国がん協会は、遺伝や家族にがん患者がある場合は、乳房の精密な画像がとれ、異常を発見しやすいMRIも勧めています。
マンモグラム(乳房のレントゲン写真)とは何ですか?
マンモグラムとは非常に少量の放射線を利用し、乳房の白黒のイメージを映し出すレントゲン写真のことです。この写真をもとに、放射線医師によって乳房に異常がないかどうか確認されます。しこりが確認された場合は、バイオプシー、あるいは、は細胞のサンプルを採取し、そのしこりががん性であるかどうかを検査する必要があります。マンモグラムはすべての乳がんを見つけることは出来ませんが、現在の医学では最も信頼される方法の一つです。
早期乳がん検査は効果がありますか?
すべてのがんを一つの検査によって発見することはできませんが、中年期に検査を受け始め、それを高齢期に至るまで続けることによって、早期発見、そして早期治療への可能性が高くなります。研究によると、閉経後の女性がマンモグラムを受けることにより、死亡率を25%低くすることができるということが明らかになっており、毎年多くの女性が乳がんに打ち勝っています。
もっと情報を得るには?
American Cancer Society 米国がん協会
www.cancer.org
(800) 227-2345
(866) 228-4327 TTY
National Cancer Institute 国立がん研究所
www.cancer.gov
1(800) 422-6237
Susan G. Komen Foundation
www.komen.org
1(877) 465-6636
出典:
- American Cancer Society. (2010). Breast cancer: Early detection. Retrieved from http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003165-pdf.pdf
- Jatoi, I. (2010). Breast cancer screening. In I.Jatoi & M. Kaufmann (Eds.), Management of Breast Diseases (pp. 131-147). New York: Springer Publishing.
- Pruthi, S. (2010). Mammograms. Mayo Medical Clinic. Retrieved from http://www.mayoclinic.com/health/mammogram-guidelines/AN02052