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多くの人々が新型コロナワクチンの接種を受けていますが、高齢者は他のワクチンの必要性にも留意するべきでしょう。ワクチンというと子供向けという印象がありますが、子供の頃に受けた予防接種の効果は、時が経つにつれ減少する可能性があります。また「バクシネーション」と「イミュニゼーション」はしばしば同じ意味で使われることがありますが、これらの用語には違いがあります。バクシネーション(Vaccination)とは、ワクチンを受ける行為を意味します。ワクチン(Vaccines) は微量の弱毒化もしくは死滅させたバクテリアやウィルスなどの病原体で作られており、体がより迅速かつ効果的に病気と闘う準備を整えます。これにより病気になることを防ぐ、もしくはワクチン投与を受けない場合に比べて症状を軽減する効果を発揮します。Health and Human Services, n.d.イミュニゼーション(Immunization)とは、ワクチン接種によって病気に対する免疫を得、疾患から保護するプロセスのことです。(Health and Human Services, n.d.

米国疾病対策センター(CDC)によると、年齢、生活習慣、健康状態によって、ワクチンで予防可能な病気のリスクが高まる可能性があります。(CDC, n.d.)予防接種は健康障害や多額な医療費の負担、また人のお世話が出来なくなってしまうことにもなりかねない、深刻な病の発症や蔓延を防ぐのに役立ちます。特に高齢者の場合は、適切にワクチン接種を受けておくことが大切です。また高齢者に特化したワクチンも開発されています。ワクチンは健康を守る最も安全な対策のひとつと言えるでしょう。(CDC, n.d.

推奨ワクチン

様々な病気に対する免疫を得られるよう、成人が受けるべきワクチン各種が用意されています。CDCは以下のワクチン接種を推奨しています。(CDC, n.d.

  • インフルエンザ(季節性インフルエンザ)Influenza (Seasonal Flu)
    • 全ての成人は、年に1回インフルエンザワクチン接種が推奨されています。高齢者や慢性疾患のある方には特に重要なワクチンです。
  • 三種混合(百日咳)Tdap (Pertussis)
    • 思春期にこのワクチンを受けていない成人は、1度接種を受けることが推奨されています。
    • 百日咳を予防するワクチンです。
  • 二種混合(破傷風、ジフテリア)Td (tetanus, diphtheria)
    • 二種混合は、破傷風とジフテリア(細菌感染)を予防するワクチンで、10年毎のブースター接種が必要です。
  • 帯状疱疹Herpes Zoster (Shingles)
    • 50歳以上の健康な成人が対象です。
    • 帯状疱疹と、これに関連する合併症を防ぎます。
  • 肺炎球菌Pneumococcal Vaccines
    • 髄膜炎、肺炎、血流感染など重篤な肺炎球菌疾患を予防するワクチンが2種類あります。
    • ひとつはPPSV23というワクチンで、65歳以上の全ての成人が対象です。
    • もうひとつはPCV13というワクチンで、特定の症状のある方に推奨されています。
      • 65歳以上の成人はPCV13ワクチンについて、医師にご相談ください。

ワクチンの支払いについて

以下は民間保険、メディケアMedicare、メディキャルMedi-Cal(メディケードMedicaid)の適用対象となる上述ワクチンのリストです。

民間保険/Private insurance:

  • 帯状疱疹
  • インフルエンザ
  • 肺炎球菌
  • 破傷風、ジフテリア、百日咳

メディケア・パートB /Medicare Part B:

  • インフルエンザ
  • 肺炎球菌
  • B型肝炎(リスクの高い方)

メディケア・パートD/Medicare Part D:

  • パートDプランでは採用医薬品集(処方集)に基づいたワクチンに保険が適用されます。パートDプランの採用医薬品集には、パート B が適用されるワクチンを除く全ての市販ワクチンが含まれます。
  • 保険適用の詳細については、ご加入のプランにお問合せください。

メディケア・パートD /Medicare Part Ⅾ またはメディケア・アドバンテージプラン・パートC/ Medicare Advantage Plan C:

  • メディケアの処方箋薬への保険適用提供するこれらのプランでは、以下のワクチンも適用対象となる場合があります。
    • 帯状疱疹
    • 三種混合

メディキャル /Medi-Cal(メディケイド/ Medicaid)

  • 多くの州のメディケイド制度では、少なくとも数種類の成人向けワクチンを保険適用対象としています。詳細については州のメディケード/Medicaidエージェントにお問い合わせください。

ワクチンの接種場所および方法

ワクチン接種は通常、診療所、薬局、ヘルス・クリニック、保健所、その他自治体によって用意された施設で受けられます。年に一度、主治医の診察を受ける際には、年齢や健康状態等に基づいて予防接種が必要か否か相談しましょう。(CDC, n.d.)毎年インフルエンザの季節には、全ての成人にインフルエンザ・ワクチン接種が推奨されています。

その他の予防接種が必要か否かは医師に相談するか、ご自身のワクチン接種記録を参照してください。ワクチン接種記録はイミュニゼーション記録とも呼ばれており、子供の頃から受けてきたワクチン全てが記録されています。(CDC, n.d.)海外旅行の際にも必要となる場合がありますので、常に更新しておきましょう。ワクチン接種記録を管理する国の組織はありません。ご自身の予防接種記録が無い場合は、医師に確認してみましょう。ただし診療所でのワクチン接種記録保管期間は何年かに限られていることをご留意ください。または、州の保健所に確認してみてください。カリフォルニア州ではカリフォルニア州予防接種登録/ California Immunization Registryというシステムがあり、貴方のワクチン接種情報を記録されている場合もあります。こちらのリンクthis linkからリクエストすることで、記録が見つかるかもしれません。

最新の予防接種を受けておくことは、高齢者にとって非常に大切です。ワクチン接種は健康を維持し、病気に忙しい日常生活を妨げられないよう予防します。ワクチン接種によって、ワクチンで予防可能な病からご自身のみならず周囲の人たちも守りましょう。

References:

Centers for Disease Control and Prevention. (n.d.). What Vaccines are Recommended for You. Retrieved from https://www.cdc.gov/vaccines/adults/rec-vac/index.html

U.S. Department of Health and Human Services. (n.d.). Vaccine Basics. Retrieved from https://www.hhs.gov/immunization/basics/index.html